印象に残った内容がたくさんありますが、一部紹介します。
もくじ
お金は信用の一部を数値化したもの
ホームレス小谷は、やはり 50円で1日を売り続け、「信用」を積み重ね続け、何かの企画の折に立ち上げるクラウドファンディングは全戦全勝。彼は、お金持ちじゃないけど、「信用持ち」なのだ。信用の面積がバカみたいに大きいから、数値化(お金化)した時の額が信用の面積に比例して大きくなる。
—『魔法のコンパス 道なき道の歩き方』西野亮廣著
ホームレスの小谷さんという人はインターネット上に店を出し、「自分の一日」を50円で売っているという話。
ただの貧乏人の話なんかじゃありません。こんなんじゃ儲からないと誰しもが思うが、本人は幸せに日々過ごしている。
要するに、彼はギブアンドテイクに徹していて、というかギブアンドギブ、ひたすらギブを続けていると、お金はないけど信用だけがひたすら積み重なり、後に何倍にもなって返ってくるという話。
この話から、目先の利益に囚われず、まずは人の役に立つことが大事だと感じた。アルバイトでもなんでも、業種を選ばなければいくらかお金を稼ぐことはすぐにできるけど、信用を積み重ねることが一番強い、なるほどと思いました。
自分をレアカード化する必要がある
東京都で民間初の中学校校長になった藤原和博さんの本を紹介しています。
「誰でも1万時間かければ『100人に1人』になれる」という1万時間の法則の話。でも100人に1人の人材になっても今の時代、それで食べていけることは難しいので、違う分野にも1万時間を投下すると100分の1×100分の1=1万人に1人の人材、さらに違う分野に1万時間を投下して『100万人に1人』になるべきと言っている。
1万時間は、例えば1日3時間ある分野の勉強をすると、9年と43日で達成できます。極めたい分野に就職して、仕事=勉強にしてしまえば、1日8時間の仕事で3年ちょっとかかります。しかも、その3つの分野が離れていればいるほど、レア度が増すという。
例えばの話ですが、金融業界に就職して、3年働いたら金融業界のスペシャリストになれるかというと疑問ですが、一生懸命働いたらそれなりの知識・経験は蓄積されるはず。そしたら、次にウェブ業界のプログラマーで3年、次に飲食業界に3年経験すると、100万人に1人の人材になる。例はなんでもいいのですが、確かにこのような人と同じ経験をしている人は滅多にいません。そうすると、今までの金融×ウェブ×飲食の経験で新たなシナジーが生まれるわけです。極めたい分野で仕事をするという選択肢じゃなくて、それが好きな趣味でもいいわけです。自分の3つの異なる分野のトライアングルを作るにはどうするのか、考えさせられました。
勝てるところで勝つ
「通知表でいえば「オール 3」という状態が最もマズイ状況で、他の教科なんて「 1」でいいので、その時間を使って、自分の「 4」を「 5」にする作業をしたほうがいい。 学校と違って、競争社会で引き抜かれるのは「 5」のみであり、「 1 ~ 4」まではゼロだ。欲を言えば、「 5」が 2 ~ 3個あると、「グラフィックデザインと経理ができますよ」といった感じで、自分にしかできない仕事を提示できるから良い。」
—『魔法のコンパス 道なき道の歩き方』西野亮廣著
努力をするのは素晴らしいこと、でも、その努力エネルギーをどこに注力するか、見極める必要がある。努力する箇所は、「自分はここなら勝っている」という箇所を見つけて、その部分を伸ばすほうが効率がいいという話。西野氏は、絵本という世界でプロに勝つために、自分はどこが勝っているか考え、『時間』は勝っていると気づいた。
自分の得意・不得意なことを見つけること、そして得意な部分をひたすら伸ばすことが大事。これは、仕事の考え方にも通じる考えです。例えば、営業が苦手だけど、知識が豊富な営業マンの場合を考えてみます。営業力を伸ばそうと、会話を続けるノウハウの本を読んでみたり、普段は行かないパーティーに参加してみたり、人と話すことが苦手、という部分をひたすら伸ばそうとします。でも、周りには喋ることが得意な人、論理的に話を展開できる人がたくさんいるわけです。そんな人たちと勝負を挑むのはナンセンス。知識が豊富なら、○○という商品がお客様にいかに役に立つものか説明した資料を作り込むとか、自分の「これなら負けない」という部分を伸ばすほうがメリットがあります。これは、心理学では「特恵効果」と呼ばれ、苦手な分野をイヤだなと思ってやるよりも、好きなこと、得意なことをやるほうが全体の業績が伸びる、ということです。
まとめ
キングコング西野氏は絵本作家、芸人、実業家といろんな顔を持っていますが、肩書きなんかどうでもいい、そんなものに縛られない生き方を学べる、とってもいい本でした。是非、一度読んでみることをオススメします。